1232投稿 (2020/12/14 05:57:27)
格上、同格、格下などの腕の差、また腕の差からくる読み合いの変化について

引用とかコピペが多いのでどっかで聞いた話だな~って思うかも

自分はスマブラに関しては上級者でもなんでもなくただのその辺の中級者なので
別に参考にならんわって思ったらブラウザバックでいいです


【初めに】
何をもって腕の良さというのを表すことができるのか
まずそれからなんですがなろう系のように「ステータス!」と叫んだら自分のステータスが見えるわけでもないし
ましては鑑定スキルで相手のステータスを見ることができない現実世界においてはそもそも
「何をもって自身が格上だと確信できるのか?」
おおよそ対応のレベルというもので判別可能です。



【対応のレベルについて】
対応のレベルというのは心理戦上で最も肝要な部分です。
行動ゲーム理論で唱えられている "レベルK思考"の話がこれにあたります。

心理戦の読み合いというのは
「自分がこう考えて行動することは相手が予測しているはずだからこう行動する」
というのが基本となりますが
"相手が自分の行動の一段階目まで読んでくることを前提として戦略を決めているのに二段階目までは読んでこない"
という保証がどこにあるのか。

レベルKのKというのは相手の戦略を何段階目まで読んだ上で戦略を決めるかという数を表します。
ただ純粋に目の前の合理性だけを考えて戦略を決めるのはK=0の思考
相手がK=0で思考していることを読んだ上でそれなら自分はこうするというのはK=1の思考
相手がK=1で~
という風に無限にKの値が増え続けていくのが心理戦の特徴です

なので100%心理戦で勝つことは不可能であって、K=0で思考を止めることもあれば
気まぐれでK=4まで思考を進めることもあります
そもそもその相手にとってのK=0が自分にとってのK=4であったりして相手との思考回路がずれていることもあります。
相手がKレベルいくつまで考えているか見極めるセンスが無いと勝つことができません。

このように100%相手のKレベルを把握してその一つ上の戦略を取るというのが不可能に近く
心理の読み合いでどこまで読んだら正解という絶対的な答えはないのですが
"一般論としてKレベルいくつくらいの思考を基に行動する人が多いかというデータなら存在します。"

詳しくは経済学者のリチャード・セーラーさんの著書を読めばわかりやすいですので一読をおススメします


【ナッシュ均衡と現実のギャップについて】
1997年4月に英国の某経済新聞紙が行ったコンテストの話をします。

読者は、0~100の間の整数を1つ選ぶように求められ
全参加者が選択した数字の平均値に3分の2をかけた値に最も近い数字を書いた人が勝者であると決められました。
たとえば、全員が書いた数字の平均が60だった場合、40を書いた人が勝者ということです。

このコンテストにおいてあなたならどの整数を書くでしょうか。Kレベル理論に則って考えてみましょう。

1.まず、何も考えなければ0~100の整数を選んだ平均は50くらいになりそうです。
ということは、その3分の2である33を選ぶのが正解に最も近そうです(K=0)。

2.ところがここで、自分が1で考えたことと同じようなことを他の人も考えたと仮定しましょう。
すると皆が選ぶ数字の平均は33くらいになりそうで、ということはその3分の2である22を選ぶのが正解に近そうです(K=1)

3.さらに、自分が2で考えたことと同じような思考を皆が辿ると仮定しましょう。
すると皆が選ぶ数字の平均は22くらいになりそうで、そうすると自分が選ぶべき数字は14くらいになりそうです(K=2)

…以上のような思考を繰り返していくと、自分が書くべき数字は思考レベルを重ねるほどどんどん小さくなっていきそうです。

実は、もしコンテストに参加した人全員が完全に合理的で、無限のKレベル思考が可能で、
かつ参加者全員がそのような完全な思考を有していることをお互いに認識していた場合
このゲームの解は全員が0、または全員が1を選ぶことになります。
全員が0を選べば平均も0なのでその3分の2は0になり
全員が1を選べば平均の3分の2は0.666…なので、それに最も近い1が正解になります。
そこから自分一人が数字を変えると自分だけが負けになってしまうので
誰も答えを変える人はいなくなり、平衡状態に達するということです。
このように、もう誰も戦略を変えなくなって言わば膠着状態に至ることをナッシュ均衡(Nash equilibrium)と呼びます。
番号選びゲームにおいては、Kレベル=12くらいでこのナッシュ均衡に到達します。

皆が完全に合理的であればナッシュ均衡の値が正解ということになりますが、現実はそうはなりません。
人間は皆が合理的な思考をする訳ではありませんし、また他の人全員が完全に合理的であることを期待している訳でもないからです。

実際に、1997年に行われたこのコンテストは1,000人以上の人が参加しましたが
選ばれた数の平均は18.91であり、勝者は13を選んだ人でした。
他に選ばれた数字で多かったのは0、1、22、33でした。
先ほど申し上げた通り、0と1はナッシュ均衡の値であり、22はK=1の思考レベル、33はK=0の思考レベルの人が選ぶ数字であり
一方でwinning numberであった13はK=2の思考レベルで選ぶ数字に近いものです。

つまり、このコンテストにおける勝者は、Kレベル思考を極限まで重ねてナッシュ均衡に到達した人ではなく
K=1くらいの思考をする人が多いであろうことを察し、K=2くらいの思考レベルで立ち止まるセンスを持った人だった


この番号選びゲームは世界各所で何度も行われています
2005年のデンマークの時は平均値21.6で14を選んだ人が勝ちになりました。
またテレビ番組がこのゲームを行った時は平均値31.1で21を選んだ人が勝者になっています。

これらのデータを総合すると
共有知識に基づくゲーム(参加者全員が同じ情報を基に戦略を考え、しかもそのことをお互いに認識しているゲーム)においては
一般人はおおよそK=0~1の思考レベルで立ち止まることが多く、それに対してその一段上であるK=1~2の思考で戦うのが、勝つ確率を高める戦略と言える


【中級者をガン処理する方法】
初心者向けの強くなり方や上級者向けのコアなテクニックの記事は沢山あるけど
上級者が中級者をガン処理できる理由の解説は全然見当たらないですよね

スマブラに限らず格ゲーでもそうでした
中級者が永遠に上級者に勝てない理由でもあり、スマブラだろうが格ゲーだろうが
読み合いが介在するゲームであれば大体使える考えです。

どういった仕組みで上級者が中級者に安定して勝ち続けているか
1.リスクを抑える
2.手癖狩り
殆どこれ二つです。


【リスクを抑える】
中級者ともなると、基本的な読み合いの形や強い技の簡単な押し付け方はある程度理解しています。
例をあげると
1.置き技→差し込み→差し返し→置き技~
2.引き行動→1の考え方→深めの差し込み→引き行動~
中級者同士の対戦では大半がこれ+αのような大雑把な内容で試合が完結しており
その噛み合わせが良いほうが勝ちます。しかし、これでは勝率は安定しません。

では上級者はこれに対して何をしているか。様子見です。
相手の読み合いにどうしても付き合わざるを得ないようなオンラインでの対戦において
中級者の特徴的な動きといえばぶっぱなし行動や入れ込みでしょう。
これらにオフで付き合っている以上どうしても大味なやるかやられるかの試合になりがちです。

では上級者はどうしているのかというと。
何でもないところでジャンプして着地したり歩いて距離を詰めたりしながら相手を観察し
迂闊な牽制や対空に差し返しと対空を狙いながら行動を読み取っています。
飛びたい距離で何もしないから飛び待ってるな?とか、それはどれくらいの時間待っているのかとか、
飛び道具を避けた時やガードした場合はどういうアクションを起こすのか…

何を見てるのか書き出したら本当にキリがないですが
自分の行動に対する様々なリアクションを見ながらこれまでの経験則に基づき、自衛しつつ鼻を効かせています。
そして、ある程度匂いが嗅ぎ取れたところで自分から動くわけですが、
基本的にリターンがそれなりに見込めてヒット率が高く、リスクの少ない行動をチョイスします。

例を挙げるならばパルテナの降り空前先端や降り空後先端がわかりやすいと思います。
上級者の試合を見ると、低%帯の立ち回りのほぼ全てがこれだけで構成されてるような内容のものもあります。
・ガードされた(引分)
・ジャスガされた(大負)
・前ステップにかち合った(大勝)
・引きステップされた(引分)
・飛ばれて上を取られた(微勝、着地狩り展開)
・差し込みにかち合った(大勝)
・差し返しで様子を見られた(引分)
こうなります。殆どが勝ちか引き分けですね。

こういったほぼ負けの無い技・行動を軸に立ち回る事により
先程例に挙げた大味な読み合いをするよりも圧倒的にリスクを抑えながら高確率で引き分け以上を引けるわけです。

経験値からくる読みの精度に差があり、リスク管理まで徹底されているため負けの選択肢を引くこと自体が少なく
仮に引いたとしても小ダメージであったり、その後の展開で簡単に立て直されてしまったりします。
上級者が中級者を圧倒している理由の一つがご理解頂けましたでしょうか。


【手癖狩り】
ジャンケンを例に挙げます

ジャンケンに常に勝ち続ける方法はご存知でしょうか
暇なときに色んな奴とジャンケンして相手の最初出した手を覚えておく
これだけです。
加えて、ジャンケンの掛け声は必ず自分で出すようにします。
相手に変なテンポの掛け声をされたり、両手を組んだ謎のおまじない等をされると相手に考える時間を与えてしまい
結果が変わってしまう可能性が高まるからです。
「いつものテンポでいつもの掛け声で」ジャンケンを始めることで
相手に考える事をさせなければ、殆どの人は最初に出す手は同じになります。

対戦ゲームにおいてもこれを落とし込むことができます。
代表的な場面は展開の早いシーン。
崖上がりを通してしまった後の行動等です、ダウン展開もそうですね。
心の準備が出来ていない場面において殆どの人は、このような突然発生した読み合いシーンで同じ行動をとりやすいです。
勿論、画面の位置等によっても選択は変わってきますので事象が発生した画面位置もしっかり見ておきます。
相手は走るのか、飛ぶのか?それともその場から届く技を振るのか、その場合どんな技を振るのか?

例に挙げた状況に関わらずこれらの情報を試合中の様々なポイントで覚えておき
意図的に再現し先程覚えた相手の手癖に被せます。(あまりにも頻繁に再現しすぎると臭うので、忘れた頃を見計らってやります)
当然、相手が必ず同じ行動をする保証はないのでここでも可能な限りリスクとリターンが釣り合う負けの極力少ない選択を取ります。
(逆転を狙う場合などは一点読み最大リターンを取りに行く場合もありますが)


【処理まとめ】
ここまでの内容をまとめると、
リスクを抑えた行動が前提にあり、
経験値の差で読み勝ちを重ね、
手癖を出させる事により相手を手のひらで踊らせている。
これが、中級者に対して圧倒している人たちの処理と言われるプレイです。

これを読んだ「上級者に全然勝てる気がしねぇー!!」とお嘆きの中級者の方は自分が気付いていない間に動かされていないか
自分の行っている読み合いはリスクリターンが合っているかを一度確認してみると良いでしょう。

上級者の方も、たまには自分の用意している構築を見直してみるのもいいんじゃないでしょうか。





(c) 犬小屋観察日記.


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