1264投稿 (2020/11/13 02:14:54)
便所の落書き

ゲーム理論から考える対戦ゲームにおける利得についての記事
スマブラに合わせる努力はしていますが基礎は格ゲーで培った考え方なので微妙にズレがあるかも

前提として前回の記事である妄言1を読んでくれないと話が通じない箇所や専門用語があります


【利得とは】
利得とは平たく言えば「その行動を選択した時の利益の数値」と言える。
うぃきぺでぃあでは利益を上げることと解説されている。
スマブラにおける利得とは非常に曖昧な産物であり、思っている結果とずれることが多い。


【スマブラの利得】
前提条件
・ラインという概念
・OP相殺という概念
・バーストという概念
・コンボ始動技、状況形成技の差異

といった複雑な条件が絡んでくるのである程度の要素を無視して考えるのが一番利口。
抑えておくべき点ではあるので利得表を作成した後の再検討の際はその点を重点的に見ておくのがいい。


【利得表の作成】
条件
・自キャラ:パルテナ
・相手キャラ:ジョーカー
・パルテナ側はNBと横Bと下Bを使用しないことを前提とする
・お互い二段ジャンプを使用しないことを前提とする
・終点
・OPという概念は考慮しない
・勝ちを+1点、あいこを0点、状況勝利を0.5点、負けや状況敗北も勝ちと同様とする

二段ジャンプを使わないなんてことはありえないし台が無いなんてことは
まず無いが利得を考える際は「最初は限定的条件下を前提とした利得を考え、そこから条件を緩めて行き対応可能な場面を増やす」
というのが大事なのでまずこういった場面で考えていく


【状況その1】
開幕位置についての考察


まずパルテナ側がダッシュガードを選択した場合の利得を考える

この際にジョーカー側に考えられるアクションを並べていく
・ダッシュDA…めくりかどうかで結果が変わる
・横B…あいこ
・前小ジャンプ空Nor空前…勝ち
・引きステ様子見…状況勝利(ラインを押したため)
・小ジャンプ様子見…あいこ
・引き小ジャンプ様子見…状況勝利(ラインを押したため)
・NB…あいこ
・ダッシュ掴み…負け

利得は+1点、評価としては悪くは無いが状況勝利という曖昧な勝ち方が多いので微妙な結果
下強や滑り横強などを考えればその限りではないが開幕空前レベルで見ない選択肢
まず勝てる状況である開幕前小ジャンプ空前を虚空に振ってくるジョーカーがいるのか?
という話になるので
ラプラスの原理から考えるとそこそこいいように見えるが期待値原理から見ると微妙な選択と言える

しかしここから発展させるべきなのは状況勝利後の状況について考えること
ガード解除硬直の11Fが厄介なので開幕掴みや空前の可能性を切り捨てるのであれば
ステップだけで良い。


【状況その2】

パルテナ側がダッシュ、ジョーカー側が引き小ジャンプか引きステを選んだときの状況について

前提条件としてジョーカー側が概算7F先に動くことを前提とするため
・DAの無敵利用不可
・空後の無敵利用不可
を条件として読み合いを考える、同時出しは勝てても後出しでは無敵を盾に突っ込めないためである

ジョーカー側の選択肢としては
・ガード
・DA
・横強
・昇り空後、空前
・ダッシュ掴み
・小ジャン降り空後、空前
・横B
などが挙げられる
これらの選択肢を後出しでも潰せる行動を考えていく
候補としては
・引きステ反転ステップDA…差し返しにあたる選択肢、横Bにだけ負け、ガードは見てからDAを出さない判断
・ダッシュ掴み…ガードにしか勝てない選択肢
・空N…昇り空後や空前に負け、ガードはあいこになりやすい、それ以外には勝ち

こう見るとパルテナ側は一つの行動でかなりの行動制限をジョーカー側に強要している
何故かというとジョーカー側がこれ以上様子見するためのラインを持っていないためである
ラインが無いということは様子見をすることが困難であり
・無理やり様子見するためのガード
・無理やり一点読みを通してラインを回復する差し込み
を強要されるので
パルテナ側はそれらを引きステによる様子見からの差し返しと
ガード崩しのための掴みだけでほとんど解決してしまうためである


【終わりに】
読み合いの考え方の一例を提示したが
具体的には読み合いはこれだけではなくジョーカーにももっと選択肢があるしパルテナ側も同様
しかしこういった極めて限定的な条件下で基礎的な考えや行動指針を決めておき、相手のアクションに応じて
こちらも手札を変えたり新しい選択肢を用意することが大切
自分がどういう状況を作りたいか、またその状況を作るためにその直前の読み合いは何をすればいいのか
というのを利得という観点から考察することは対戦ゲームで上達する上で必要不可欠である。





(c) 犬小屋観察日記.


kukuluBlogは、kukuluLIVEのユーザがブログを作成できるサービスです。
公開されている記事、写真等のデータはユーザが作成したものです。